課題B2-2 火山観測に必要な新たな観測技術の開発(位相シフト光干渉法による多チャンネル火山観測方式の検討と開発)
当課題は令和5年度で完了しました。
- サブテーマ
- 位相シフト光パルス干渉法を用いた振動観測システムの総合的評価
- 【採択機関・事業責任者】
- 国立大学法人京都大学
防災研究所教授 中道 治久
火山研究も火山防災も基本は現地における観測です。「位相シフト光パルス干渉法を用いた振動観測システム」は、光を使ったセンサーシステムですので、雷に強いうえに高温にも強いという特徴があります。本事業ではシステムを実際の火山観測に投入することにより、実用的に改良するためのノウハウを蓄積します。本システムを、いち早く火山現象を捉えるセンサーに育てることで火山防災の高度化に貢献したいと考えています。
- サブテーマ
- 位相シフト光パルス干渉法を用いた振動観測システムによる火山観測の実施
- 【分担責任者】
- 白山工業株式会社
基盤開発部部長 平山 義治
「位相シフト光パルス干渉法を用いた振動観測システム」は、光パルスの干渉を利用して、光ファイバーに接続させた多点のセンサの変位を検出するシステムです。今回は試作品を実際の活火山に設置して約1ヶ月間連続観測を行い、現時点での実力を見るとともに、実用化への課題抽出等を行う予定です。センサへの給電不要、耐環境性という利点を活かし、火山モニタリングに資するシステムを構築したいと考えています。
事業・課題の概要
新しい計測技術である位相シフト光パルス干渉法を応用した火山性地震センサーシステム(以下、光センサーシステム)を実際に活火山の観測に投入する。光センサーシステムはセンサーへの給電が不要であり、耐熱性および耐蝕性、耐雷性を持っている。本事業では高度な火山防災の基礎となる高品質なデータの取得に寄与する実用的なセンサーシステムを構築するための基礎データの取得を行う。
成果目標及び実施方法
- 製作済みの光センサーシステムを桜島火山に設置し、一定期間データを取得。
- システムを実際に運用した場合の各特性の取得と記載を実施。
- システムの野外運用の際のノウハウの取得と記載を実施。
- システムで得られたデータを用いた解析および解析結果の評価を実施。
- 他課題へ観測データを提供。
アウトプット・アウトカム
- 光センサーシステムの実用化により、これまで観測点が置けなかった場所のデータを取得し、火山観測データのダイナミックレンジを拡大。
- 光センサーシステムの特徴を活かすことができれば、海底火山のモニタリングや、温度の高い火道周辺でのモニタリング等を実現できる可能性がある。