概要
平成26年9月に発生した御嶽山の噴火等を踏まえ、火山研究者の育成が求められていますが、火山噴火研究に従事している研究者は約80人と少なく、加えて、火山現象を研究する火山学で体系的に学ぶことのできる場が存在しないのが現状です。さらに、平成27年7月に活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号)が改正され、火山防災協議会への火山専門家の参画が必須となったことから、社会防災的な知識を身に付けた研究人材を育成します。
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事業・課題の概要
本事業は、大学院修士課程学生を中心に、火山学の広範な知識と専門性、研究成果を社会へ還元する力、社会防災的な知識を有する、次世代火山研究者を育成する。各大学の火山学関連の講義や実習を体系化し、国内外の活動的火山におけるフィールド実習、先端的火山研究や工学・社会科学のセミナーなどを提供し、一定の要件を満たしたものに修了証を授与する。
成果目標及び実施方法
- 各大学で実施されている火山学関連の講義を体系化する。
- メディアを利用し遠隔地での受講を可能にする。
- 国内外の活火山でフィールド実習を行い、観測調査技術を育成する。
- 火山学に関するテキストを作成する。
- 工学・社会科学等の分野のセミナーを実施する。
- 火山PJ研究課題と連携し、大学院生の研究遂行能力の育成を図る。
- インターンシップで災害施策現場等を知る機会を提供する。
アウトプット・アウトカム
- 主要3分野(地球物理学、地質・岩石学、地球化学)を学ぶ学生に修了証を授与(14名/年、うち博士課程進学者6名/年を目標)。
- 大学や研究機関と、地方自治体や国の機関、民間企業が一体となって、火山災害軽減に有効な教育カリキュラムを構築。
- 学問的理解に加え、災害軽減の視点・知見を持った研究者が育成。
事業・課題の実施体制
本プログラムは、現在(2024年 4月)、18大学、4研究機関、10地方自治体、3学協会、6民間企業で実施されています。
現在の参画機関はこちらからご覧ください。(次世代火山研究者育成プログラムサイトに移動します。)
→ コンソーシアム参画機関
- 【採択機関・実施責任者】
- 国立大学法人東北大学
大学院理学研究科教授 西村 太志
地下で進む多様な火山の活動や、気液固相の流体が複雑な挙動をする噴火現象は、いま、地球物理、地質・岩石、地球化学などの各分野の研究が進み、理解が進んでいます。これらの学際的な火山学的知見や技術をさらに融合、発展させ、火山災害の軽減策の立案にも貢献できる、若手火山研究者の育成をすすめるために、国内外の知的資源やフィールドを最大限に生かし、研究教育環境を進化させていきます。